財産分与Q&A


Q:どのような財産が財産分与の対象となるのですか?

 精算的財産分与の対象となる財産は、「当事者双方がその協力によって得た財産」です。双方の協力によって得た財産である限り、財産の種類を問わず財産分与の対象となります。その他、退職金、支払、婚姻費用に関しても財産分与の対象とするべきと考えられる傾向にあります。


Q:離婚した後でも、元夫(元妻)から財産を分けてもらうことはできますか?

 離婚後でも、財産分与の請求は可能です。ただし、離婚から2年経つと、相手方に対して財産分与を求めることはできなくなります。財産分与の具体的な方法が、双方の話し合いでまとまらない場合は、家庭裁判所に対して、調停や審判の申立をすることができます。

 解決するまでの間に、相手方が財産を隠匿処分されるおそれがある場合には、財産を仮に差し押さえしたりできます。ただし、申し立てる際には、裁判所にあらかじめ保証金を納める必要がある場合があります。


Q:好きな人ができたので夫と別れたいです。財産分与は請求できますか?

 あなたは、いわゆる有責配偶者として離婚が認められない場合があります。

 仮に離婚が認められると、有責配偶者からの請求であっても、財産分与の請求はできます。

 相手が慰謝料請求と財産分与を相殺できるかどうかについては、財産分与と慰謝料の関係につき限定説に立てばできませんが、包括説にたてばできることになります。相殺的処理を認めた判例があります。


Q:夫は勤続25年ですが、退職まであと1年あります。この退職金を財産分与でもらえますか?

 サラリーマンに支給される退職金(退職手当)が、財産分与の対象となることはほとんど異論がありません。

 問題は、未だ退職前の段階で将来の退職金についてですが、一般的には、将来支給される蓋然性が高ければ清算の対象とすべきであると解しており、退職まであと1年しかない段階になれば、清算の対象とすることになると思われます。


Q:夫とは離婚で揉めていますが、生活費を入れてくれません。離婚に当たって、財産分与でこの生活費分はもらえるのですか?

 離婚するまでの生活費は、財産分与として当然には請求することは出来ません。離婚するまでの生活費(通常、当該生活費のことを婚姻費用と言います)は、婚姻費用として請求することが出来ます。配偶者が婚姻費用を支払ってくれないのであれば、婚姻費用の調停又は審判等の申立を裁判所にする必要があります。