離婚と子どもQ&A


Q: 別居している配偶者が、保育園から子を連れ帰ってしまいました。子を取り戻したいのですが、どうすればよいですか?

 配偶者を相手方として、家庭裁判所に子の引渡の審判を申し立て、併せて審判前の保全処分の申立てをすることができます。

 話し合いでの解決を期待して調停の申立てをしていて、保全処分の申立てをしないうちに、保全の必要性もないと判断されるだけでなく、子が配偶者のもとで監護されていることが子の利益、子の福祉に適うと判断される場合もあります。

 保全処分で引渡が認められたときでも、相手方が従わない場合には、履行勧告をします。それでも応じない場合には、人身保護法に基づき、子の引渡を請求することもできます。


Q:離婚の際に子どもがいる場合には、何を決める必要がありますか?

 親権者を決めると共に、養育費、面接交渉の方法を検討する必要があります。

 未成年の子どもがいる夫婦が離婚する場合、夫(父)、妻()のいずれかを親権者と定めます。通常は夫婦の話し合いで決めますが、意見が一致しなければ調停・審判や判決で決めることになります。

 親権者とは別に、子どもの監護教育を行う監護者を決めることもできます。一般的には親権者が監護教育も行いますが、他方の親、祖父母などを監護者とすることも可能です。

 子どもと生活を共にしていない親には、子どもと会う権利が認められます。どのような方法で面会をするのかを決めておくのが一般的で、調停・審判等で決めることができます。


Q:配偶者とは別居しました。離婚調停中に、元配偶者に子どもを会わせる必要があると聞きました。元配偶者と連絡を取ることも苦痛です。

 現在の家庭裁判所の原則的な運用では、離婚調停中においても、非監護者と子とは面会交流が実施するべきと考えられています。従いまして、離婚調停の場でも、そのように説得されることも多いかと思います。 

 面会交流の日程調整の連絡等も弁護士が代わりにすることができますので、一度ご相談をされることをお勧めします。


Q:離婚調停中ですが、夫のもとに子どもがいます。夫は子どもに会わせてくれません。どうすればよいですか?

 離婚調停の中で、裁判所が面接交流に関する調査を進めてもらうことが考えられます。

 また、面接交流についてだけ調停審判を求めることもできます。 

 このようなケースでは、弁護士に依頼すべき案件と思われます。一度ご相談を。


Q: 離婚の際、親権を相手に渡しましたが、相手は面接交流を妨げてばかりいます。面接交渉を確保する方法はありませんか?

 調停や審判あるいは裁判で面接交渉について定められていた場合には、家庭裁判所に履行勧告を申し出るのがよいと思います。調停や審判あるいは裁判をしていない場合であれば、調停の申立てをして、調停で面接交渉について取り決めることになります。調停が成立しないときは、審判に移行することになります。


Q:親が離婚すると、子どもの氏(姓・名字)や戸籍はどうなりますか?

 子どもの戸籍や氏を変えるために、家庭裁判所に子どもの氏の変更許可の申し立てをすることができます。

 許可が下りると、子どもの氏が変更され、旧姓に戻った親の戸籍に入ることになります。

 なお、結婚時に氏を変更した親が、その氏をそのまま使用する場合(婚氏続称)でも、子どもは元の戸籍に入ったままになりますので、同様に変更許可を得る必要があります。 


Q:親権を持つ元夫(元妻)が、きちんと子育てをしていません。私に親権者を変更することはできますか?

 家庭裁判所は、子どもの利益のために必要であると認めるときは、調停・審判により親権者を他の一方に変更することができます。審判においては、親・子ども双方の事情を考慮して、親権者の変更が子どもの利益のために必要かどうかが判断されます。

 ただし、婚姻中の不倫や離婚後の男女関係については、それだけでは親権者として不適格とされるわけではありません。